
枝払いをして落ちている柿の実。
「これ、いただいてもいいですか?」
今はまだ、こういう色なんですね。
お得意さま宅へ向かう途中など、社長から営業の訓練にと
時々指令がくだります。
「行っておいで」
はい、社長!
外壁にそって、ザッザッザッ
大きな日よけ帽を優雅にかぶり、掃除をなさっている奥さま。
「すみません、わたしアート新佳と申します。」
「はい?」
帽子とサングラスを外して、わたしの顔を見つめます。
「わたし、アート新佳と申しまして、
こういった手のひらサイズの油絵を何点か持ってきているのですが、
ぜひご覧いただけませんか?」
自信のある商品ばかりです。
堂々と一歩近寄って、奥さまにお見せしました。
「絵は、好きで主人と見に行ったりもしますけど…
あら、かわいいわね…。何点か一緒に飾ったら素敵でしょうね。」
奥さまは、わたしから受け取ると
まるで小鳥をのせるように、ご自身の両手の上で
正面から斜めからご覧になっています。
「はい、ありがとうございます。もしよろしかったら他にもございます。」
「まぁ、ふふふ。玄関でもよろしいかしら。ちょっと待ってくださいね。」
5点購入いただきました。
お宅の玄関をでると、奥さまは見送りにきてくださり、
道路からの照り返しをまぶしそうにしながら、
「がんばって!…くださいね。」
静かでやさしい瞳が、わたしを包んでくださいました。
うれしくて、満たされた気分になり、その勢いで
早速近くのコンビニへ車をまわします。
スキップで入場。
社長と美味しいおやつをほおばる、副社長です。
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タグ : 副社長の日記



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